追臆のダンス

ドキュメンタリー

2002年/65分/カラー(一部モノクロ)/ステレオ/スタンダード/ビデオ<8ミリ+ビデオ>

写真評論家・西井一夫。「カメラ毎日」最後の編集長を務め、荒木経惟や森山大道らと同時代を駆け抜け、写真界の先鋭として活動してきた。2001年秋、西井から河瀬に一本の電話が入る。
「もうあと長くて二ヶ月くらいしか生きられないんだよ。俺の最後を撮ってくれないか?頼んだぞ、 河瀬」。

"頼んだぞ"という西井の言葉が耳から離れない河瀬はその翌日より、カメラを持って 東京・荻窪のホスピスに通い始める。失われゆく西井との一瞬の"刻"、自分が感じたものをカメラに 記憶しようとする河瀬。

ビデオカメラを回しながら語りかける河瀬に対して、西井は咳き込みながらも 必死に答える。そして自らもスチールカメラを手にし、撮影する河瀬に向かってシャッターを切った。 ここに"撮るもの"と"撮られるもの"を超えた心の交感が写し出されてゆく。これはがん患者の 闘病"記録"ではなく、同じ時間を共に生きたもの同士が心通わせ、今、私たちが生きている"生"の 証しとして、息づきつづける"記憶"の物語である。西井は、病床にあって「20世紀写真論・終章--- 無頼派宣言」(青弓社刊)、「写真編集者」(窓社刊)をまとめあげ、2001年11月25日死去した。 ---この世に何かを残すということ、そのことに執着して、映画を撮っています。写真を、言葉を、 声を、笑顔を、涙を、怒りを、そして、それは痛みを伴い、少なくとも、あなたに出会っている奇跡が 私をつきうごかしている、そのことを伝えるだけです。

詳細はhttp://kumie.shop-pro.jp/

受賞/招待

マルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭コンペティション部門
ロッテルダム国際映画祭
Infinity Film Festival
二ヨン国際ドキュメンタリー映画祭
台北国際ドキュメンタリー映画祭
ほか多数出品

スタッフ

監督+撮影+編集 河瀨直美
製作 ビジュアルアーツ専門学校+遷都+組画
編集 安楽正太郎

キャスト

出演:西井一夫、西井千鶴子