実績紹介Works
祈-Inori
プロデュース作品日本/2012年/72分/HD/日本語/なら国際映画祭「Narative」プロジェクト
山深い奈良県・十津川村にある小さな集落、神納川(ルビ、かんのがわ)。
若い人たちは町へ出て行き、かつて賑わいを見せた村はひっそりとしている。
深い霧に覆われた早春の山々、青い瞳に涙を湛えたカモシカ、絶え間ない河の流れ――
大いなる自然とともに生きる人間本来の営みを受け継いでいる村人の暮らしの中には、祈りと感謝の心が日常的に在る。日々母の墓前に参り花をたむける男・成文さん、亡き母の想い出を語る哲夫さんは「親父もお袋もここのお墓に眠ってるもんでね、それを考えたらこの地を捨てられない」という。集落の中でも山奥に暮らすサカエさんは、軽快に吊り橋を渡り「矢切の渡し」を歌いながら山しごとに出かける。'ごんぱち'(イタドリ)で炊いた煮物、おかゆを平らげていくサカエさんの元気の源も、朝のご先祖さんへの祈りにある。2年前に夫を亡くし、4人の子供たちとも離れて暮らしている。
神納川に舞い散る桜吹雪の中で、人間の考える"発展"の先にあるものが静かに問われてゆく。
スタッフ
監督・撮影・編集 | ペドロ・ゴンザレス・ルビオ |
プロデューサー | 河瀨直美 |
キャスト
福井サカエ、小谷成文、柳瀬哲夫、池尾良、池尾典子
関係者
配給:NPO法人なら国際映画祭実行委員会